雑誌の中の言葉

「−記憶は保存されているというよりも、思い出すたびに電気が灯って再生されていると考えたほうがいい。つまり今つくられているものなのす。
その意味では、記憶は幻想です。『私は小さい頃の鮮やかな記憶を今でも覚えています』と人はよく言うけれど、その記憶は実はその人にとって、毎回再生されているから保存されているかのように錯覚しているのです。そして実際には再生されるたびに、徐々に変容しているものなんじゃないかな、と思います」
「自我がなんだかわからなくなっちゃいますね」

「私たちはどこから来た、どこへいくのか 4 なぜ人は死ぬのだろう」 森達也 「ちくま no496」