雑誌の中の言葉

「−伊丹万作は、『戦争責任の問題』という文章を発表してこう書いた。
「『だまさせれていた』といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである」
 この不幸な予言は残念ながら、終戦のわずか九年後に始まった原子力政策と、六十六年後の福島の事故を見越していたと言えるだろう。」

「すばる」8月号「もう少し話をしょう ソウル・東京、交換日記1」中島京子