本の中の言葉

「『面白い奴だな。わしを竹光で斬るつもりか。・・・・わしを竹光で斬るつもりか。面白い奴だな。・・・・どっちがいいかな』と、たまたま傍らに立っていた私に声をかけられたので、僭越ながら『後の方がいいと思いますが』とお答えした。
こういった言葉の前後とか、テニオハの一字でもおろそかにしないのは、どんな名シナリオライターでも同じなのだ。」

「蜥蜴の尻っぽ とっておき映画の話」 野上照代 文藝春秋