本の中の言葉

 意味は、読解の対象にはならない。意味は、形姿を枠の外にはみ出させたり、迫りくる無限を使って後光を与えたり、枠を作り出す力ないしぼやけとして再度現れる。意味は、完全には諸形姿ないし諸要素の分節化ないし諸形態の構成から生じたり、結果として出てくるものではない。わたしにとってメロディーを有する、あるいは音楽的であるとしか想像できない一つの継続のなかで、息づいたある瞬間でもあり、それは、つまるところ構図を横断し、織りなし、振動させている音の響き合いの動きやテーマへの突入や不確かなさなざまなる類似に対応している。

 「エル・グレコのまどろみ」 ジャン・ルイシェフェール 與謝野文子訳 現代思潮新社