週刊誌の中の言葉

ー中国では古来、詩文を大事にしたが、それらを文字として視覚化することにも大きな意味があった。天意は文字となって金属器に刻まれ、優れた詩文は記されて歴史に残った。「文章は経国の大業にして、不朽の盛事なり」と言ったのは三国時代の魏王曹丕だが、国を治める大業たる文を不朽にするのは文字であり、文字を知ることこそが文化だった。

 週刊文春9月11日号 細川護煕「中国詩心を旅する」