本の中の言葉

「−ある日、母に死にそうだと泣き言を言った。
 『死んで見せなさい。好きなことをやっているのだから、その中で死ねれば本望でしょう。まだ余裕があるからそんなことを言えるんだ。死にそうなんてことは死んでから言いなさい』
 わかってはいたがやはり言われてしまった。弱音を吐いてもストレートに反応が返ってくる、純粋な母であった。」
 「音楽の扉」 千住明 時事通信社