週刊誌の中の言葉

 女たちにとっての「容姿」は、自分の価値に直結している。なんだかんだ言っても美人には高い値段がつくことを我々は身をもって知っているのだ。
 それは確かに「商品価値」に過ぎず、本人の「人間としての価値」とはまた別の問題であろうが、物心ついた時から資本主義社会に生きている我々が「商品=己の価値」と考えてしまうのは無理もなかろう。この世の存在にはすべて値札がついており、人間とて例外ではないからだ。

 週刊文春10月4日号「さすらいの女王」中村うさぎ